思い出すためのメモ

忘れないようにメモします

安定剤が効いてきた

 豆乳抹茶ラテが不味い。睡眠導入剤の影響で苦く感じるからなのか、嫌いな味なのか区別できない。認知は元々歪んでいるし聴覚は元々過敏気味で、最近視力が急に低下して乱視になりすれ違う人の表情がよくわからない。五感を奪われていてウケる。

 

 飲んだ安定剤が効いてきた。辛さを感じなくなっているだけで調子は悪いままだと理解していても、どんどん穏やかな気持になり万事順調に進んでいる気になる。コンサータを飲んでいた時も思ったけど、自分で自分の気持を盛り上げるよりも薬の効果の方が強いのですぐに薬に引っ張られてしまう。「色々大変だけどわたしは別に気にしないな」という余裕が戻ってきて、飲む薬次第でどんな気分にでもなれるんだな、と苛立つ。

電気羊のペンフィールド情調オルガン思い出す。「ストレスを感じず元気に毎日働ける薬」があれば問題を無視して生活できるのに、と拗ねた気持ちになる。レッドブルを飲んでシュークリームを食べ、コンサータを飲むという方法で疲労を無視して動く裏技を発見したことがあったけど、1時間くらいハイになれるだけでその後は焦燥感に襲われて眠れないし翌日一日体が動かなくなって寝込んだ。十分に眠る、以外の方法で眠気を解消することは出来ないと学んだ。

 

 自分は病人で、医者からの指示をしっかりと守る必要がある。焦らずに休むことが社会復帰を急ぐことに繋がると理解する必要がある。気分が薬でころころ変わってしまうので、自分の感情を信用してはいけない。

 随分前、正体をなくすほど酩酊した時に「今の自分は正気ではない」「何も話してはいけない」「自己開示をするな」とノートに書き続けて耐えたことを思い出した。睡眠導入剤を飲み始めてから正体を失って口を滑らせてしまうことを楽しんでいた節がある。ほとんど酒を飲まない自分にとって、睡眠導入剤の酩酊感は言い訳ができる娯楽になってしまっていた部分があると思う。

 

 酩酊感の少ない薬だけの処方に変えてもらったので今後は記憶に残らない問題行動はなくなるはず。遅かれ早かれ減薬は進めていく予定だったので、自分の意志で減らしたいなら今日から減らしていいよとのこと。

 入眠のしんどさ、悪夢のしんどさを思うと少し憂鬱になる。

 最近安定剤の入荷が安定しないとのことで今週分の処方は出なかった。安定剤のストックが最低限の量しかないので安定剤が効かない場合増量はせずに部屋の隅で丸まって耐える必要がある。

 成人男性が小さくなって震えてる姿は結構面白く、これはウケるぞと思うことで他人事として笑うことができる。キャラクターとしての「斧田あやか」として自分を見ることで生活が破綻して苦しんでいる状況は不憫で可愛くなるし、認知の歪みが不条理な日常系のように見えてくる。

 『女子攻兵』終盤の自分が女子高生なのかおじさんなのか分からなくなる展開が本当に好きなので、ツネフサ兵長オマージュとして斧田あやかちゃんの最終回は自分自身と斧田あやかの区別がつかなくなってトラックに轢かれるオチにしたい。

 

 揚げたポテトの油の香りが漂ってきて吐き気がしてきた。安定していた精神のバランスが崩れ始めたので帰る。